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山から帰る電車内でスズメバチとバトル(^_^;) 

カテゴリ:山行 富士山周辺

 昨夏は、ひょんなことから、山の中で「野猿とバトル」や「ヤマビルとバトル」を繰り広げましたが、今夏は、山の中ではなく下山後の電車の中で、スズメバチと「バトル(場外乱闘)」するハメとなってしまいました(^_^;)
 今回は、その顛末を記させていただきます。

 富士山を観に紅葉台から三湖台を経て足和田山へと歩いたことは、先に記事をアップしましたが、「スズメバチとのバトル」はその下山後に勃発しました。
 河口湖畔へ下りてから、「富士ビューホテル」の「富士河口湖温泉 秀麗の湯」にどっぷりと浸かった後、バスで富士急行線の「河口湖」駅へと移動し、駅の土産物店で缶ビールを1本購入して、「大月」行の鈍行電車に乗り込みました。
 平日の午後5時前という時間帯であったため、車内はガラガラに空いており、私が乗り込んだときには、他に女性の二人連れしか乗車していませんでした。
 先ほど購入したビールを心置きなく飲もうと、敢えて女性二人連れとは少し離れた座席に腰を下ろし、缶ビールのプルタブに指をかけたまさにそのとき、私の右肘は突然ものすごい激痛に襲われたのでした。

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↑刺されてから約10分後 だんだんと腫れてきました

 感覚的には、右肘に強い電流が流れたかのような、あるいは真っ赤になるまで熱した金属の棒を肘に押し付けられたような強烈な痛みで、最初は何が起きたのかまったくわかりませんでしたが、あまりの痛さに思わずその場で立ち上がってしまいました。
 激痛の走る右肘を見てみましたが、腫れているわけでもなく、また出血も認められず、外見的には特に変わったところはありませんが、ズキンズキンと激しい痛みが走っています。
 何かの不具合で座席に電気が流れているのか?、あるいは窓枠の金属部分が何らかの不具合で熱を帯びているのか?と、いったいどうなっているのか状況がまったく理解できないまま、痛みが走る右肘と先ほどまで座っていたシートのあたりを交互に注視していると、足元付近をハチのような虫が飛び回っているが目に入りました。
 それを見たとたん、右肘の激痛の原因を一瞬で理解するとともに、そのハチのような虫に対して「生足」を無防備に晒している(先に温泉入浴したときにショートパンツ&短いソックスに着替えていました ^_^;)という極めてデインジャラスな危機的状態に陥っていることも瞬時に理解し、自己防衛本能が反射的に働いて、若干の躊躇を感じつつも次の瞬間ワタクシの右足は登山靴でそのハチのような虫を“ペシッ”と踏みつけていました。

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↑ワタクシを刺したハチです

 子どもの頃から虫の類は大の苦手なので気乗りはしませんでしたが、虫の種類を特定する必要があったことから、ハチのような虫を間近でよく観察してみると、どうやらスズメバチのようでした。
 ここで、ようやく激痛の謎が解けて、スズメバチに右肘を刺されたのだということは理解したものの、頭の中はややパニック状態となっていて、この状況に冷静に対処することが難しくなっていました。
 この場で電車を降りて病院へ行くという選択肢も脳裏をよぎりましたが、今一つ踏ん切りがつかず、どうしたものかとあれこれ考えている内に、乗っていた電車のドアが閉まり動き出してしまいました。
 そうなると、ますます病院に直行するという選択をすることに消極的となってしまい、とりあえずはしばらく安静にして様子を見ることとし、もしも具合が悪くなるようであったら、大月駅あたりで下車して病院へ行くことにしようという、後で考えてみると誤った判断をすることとなってしまいました。
 帰宅した後で、ネット等で調べてわかったことですが、ハチの毒は反応時間が早く、多くの場合刺されてから数分から15分以内には症状が出てくるそうです。
 また、症状が早くあらわれるほど重症になることが多く、場合によってはアナフィラキシーショックを起こし、症状が出てから心停止まで短い場合は約15分しかないため、速やかな治療が必要となります。
 特に、医療機関から離れた山の中などでスズメバチに刺された場合は、診療までの時間が長くなることが多いため、躊躇せずに早急な対処が重要となるそうです。

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↑結局は救急車で医療機関へ搬送され、治療を受けました

 しばらくすれば痛みもじき治まるだろうと甘く考えていた右肘は、その後もズキンズキンと激しく痛み、やがてだんだんと赤みを帯びて腫れあがってしまいました。
 「これはいよいよまずいことになったぞ」と内心さらに焦りまくり、スマホを使ってスズメバチに刺されたときの対処方法をネットで調べようと考えましたが、焦りから半ばパニくっているため考えがうまくまとまらないところに、利き手である右腕の肘の痛みから指をうまく動かすことができないため、検索作業は遅々として捗らないことから、自宅にいる愚妻にメールして援けを乞うことにしました。
 すぐに愚妻からメールで返信があり、応急処置として「刺されたところの周囲を指で圧迫して毒を外へ出す」ことや、「スズメバチの毒は水溶性なので、刺されたところを流水で洗って冷やす」、「抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏があれば塗布する」、「濡れタオル等で冷やし安静にする」、「具合が悪くなったら、すぐに医療機関へ」等のネット検索の結果によるアドバイスがありましたが、「痛みが酷く、とても指で押すことなどできないし、電車の中なので水で洗い流すことや冷やすこともできない」と返信すると、今度は愚妻から電話があり、「以前、山道具の店で毒を吸引する器具を購入していたけど、それは今持っていないの?」と尋ねられました。
 そう言われて、「ああ、そういえば、その昔、そのテの類の器具を買ったこともあったなあ」と思いだしましたが、購入してしばらくは山行の際にザックの中に入れて持ち歩いていたものの、使用する機会がまったくないため次第に山へ持っていく機会が減り、やがては自宅に置きっぱなしとなり、今ではその存在すらも忘れてしまっていました。
 まさに「宝の持ち腐れ」とはこのことですが、後の祭りでした。

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↑実は所有していた(ことをすっかり忘れていた)「ポイズンリムーバー」

 その後も愚妻と何度かメールでやりとりをしましたが、このまま漫然と電車に乗っていたのでは何の応急処置もとれないことから、たまたま「乗り越し精算」のため通りかかった車掌さんを呼び止めて、右肘の患部を見せながら電車内でスズメバチと思しきハチに刺されたことを話し、「治療を受けたいのですが、このあたりは不案内なので、どこか近くに病院がないか調べてください」とお願いしました。
 その若い車掌さんは、少し慌てたカンジで「ちょっと待っていてください」という言葉を残して先頭車両の方へ歩いて行き、その後、しばらく戻ってきませんでした。
 かなりの時間が経過した後、先ほどの車掌さんが戻ってきて、「救急車を呼びましたので、次の駅で降りてください」と私へ告げました。
 ワタクシは正直なところ、「ああ、やっぱりオオゴトになってしまった」と車掌さんに相談したことを少し後悔しました。
 後で考えてみると、そのときの車掌さんの対応は正しいものでしたが、そのときのワタクシは、できれば自分で病院へ行きたいと考えていたのでした。
 ですが、その若い車掌さんが、職務とはいえ厚意でしてくれたことをむげにすることもできなかったので、おとなしく指示に従って次の駅で下車し、サイレンを鳴らしてやってきた救急車に乗り込み、近くの医療機関へ搬送してもらいました。  

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↑飲み薬と塗り薬を処方されました

 サイレンを鳴らして激走する救急車の中で血圧を測られるとともに、救急隊員から「気分が悪くないか」、「喉のあたりが圧迫されて呼吸が苦しくないか」等の問診を受けるとともに、「(アナフィキラシーショックの)症状が出るのは刺されてから15分以内であることが多いが、刺されてから30分経っており、今のところは特にそれらしい症状も出ていないので、そんなに心配しなくても大丈夫」との有難いアドバイスをいただきました。
 搬送先の医療機関では、患部にステロイドの軟膏を塗られ、さらに左腕にステロイドの注射を打たれ、最後は患部に絆創膏を貼られ、その上に冷却材を当てられて包帯でぐるぐると巻かれる処置を受けました。
 また、副腎皮質ホルモン剤と抗ヒスタミン薬の配合錠と胃粘膜保護修復の錠剤、副腎皮質ホルモンの塗り薬を処方されました。
 治療後もしばらくの間は、その医療機関で安静にしていましたが、午後6時半頃に富士急行の担当者の厚意で、医療機関から最寄りの駅まで送っていただき、ようやく再び家路に着くことができました。

4
↑再び家路に着いた頃にはすっかり暗くなってしまいました

 その後の経過ですが、その夜はさらに赤みが増して腫れが酷くなってしまいました。
 翌日から痛みは少しずつ治まってきましたが、その代わりに今度はかゆみが出てきてしまい、それはその後1週間くらい続きました。
 最終的に患部の赤みやかゆみがなくなり完治したのは、刺されてから2週間以上も後のことでした。
 ちなみに、アナフィラキシーを引き起こすハチは、スズメバチだけが危険というわけではなく、アシナガバチに刺されてもアナフィラキシーの症状がでるおそれがあるそうです。
 またその多くは、最初に刺されたときよりも、2回目に刺されたときの方が症状は強く、場合によってはショック状態となり命を落とすリスクが高くなるそうですので、今後数年間は山歩きの際にはこれまで以上にハチの類に注意をしなければならなくなってしまいました。
⇒【参考】アナフィラキシーってなあに.jp

6
↑夜にはさらに赤く腫れ上がってしまいました

 ワタクシのこれまでの五十●年の人生の中で、これまでもハチには何度か刺されたことがありますが、スズメバチに刺されたのは、今回が初めての経験でした。
 山の中を歩いているときは当然ハチの類には十分に注意していますが、帰りの電車内&缶ビールの蓋を開けようというシチュエーショでスズメバチとバトルすることになるとは、まったくの想定外でトホホ‥のアクシデントでした(笑)
 スズメバチの刺傷被害は、活動が活発となる7月~10月の4ヶ月の間にその大半が発生していて、特に8月と9月が最も多いそうです。
 皆様も、これからしばらくの間、山を歩かれる際はもちろんのこと、往復の電車の中などにおいても、スズメバチに刺されないようくれぐれもご用心くださいませ(^_^;)

 JIN記

(追記その1)
 「今夏の猛暑と少雨が影響して、今年はスズメバチが大量発生して猛威をふるっている」旨のニュース記事がネットに掲載されていました。
 やはり、これからしばらくの間は、スズメバチには注意が必要なようです。
 ちなみに、この山行の後、ワタクシのザックの中には、「宝の持ち腐れ」状態であった「ポイズンリムーバー」が再装備されたのは言うまでもありません(笑)

(追記その2)
 後日、ネットでワタクシを刺したハチを調べてみたところ、どうやら「キイロスズメバチ」という種類のスズメバチだったようです。
 この「キイロスズメバチ」は、スズメバチの中では一般的な類のもので、山の中はもちろん、市街地にもいるそうです。
 そういえば、帰りに最寄りの駅まで送ってくれた富士急行の方も「街中にもたくさんいるので、駅で停車している間に、電車内に入ってきてしまうんですよ」と申し訳なさげに呟いていました。
 ちなみに、この「キイロスズメバチ」は、「オオスズメバチ」に次いで攻撃性が強いのだそうです。
 ⇒【参考】都市のスズメバチ

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↑5日経ってもまだこんなカンジで、刺された針の痕もまだ残っています(^_^;)

(追記その3)
 「何故、電車の中で突然スズメバチに刺されてしまったのか」という疑問については、刺されたときには考える余裕がまったくありませんでしたが、後になって落ち着いてから、そのときの状況を思い返しながら少し考えてみました。
 ワタクシが電車内に乗り込んだときには、周囲にスズメバチは飛んではいませんでしたので、どこか手前の駅で車内に入り込んだスズメバチが、電車のシートの背もたれの上部あたりにとまっていたと思われます。
 そこへたまたま運悪くワタクシが乗り込んで座り、左手でビールの缶を持ち、右手でプルタブを開けようとしたときに、たまたま運悪く右肘がシートの背もたれ上部にいたスズメバチへ接近あるいは接触して、それを攻撃されたと感じて怒ったスズメバチが反撃し、右肘を刺したものと推察されます。(スズメバチを見つけたとき、足元付近を低く飛び回っていたのは、もしかしたら右肘でスズメバチをシートに押し付けてしまい、それが原因で羽に不具合が生じ、高く飛べなかったからかもしれません)
 簡単に言うと、缶ビールのフタを“プシュッ”としようとした至福の瞬間に、スズメバチの毒針に“プチュッ”と刺されるという、まさに「天国から地獄」のような状況が展開されたのでした(笑) 

(追記その4)
 俗に「ハチに刺されたらオ●ッコをかけるとよい」と言われているらしいのですが、ハチの毒は水溶性であるものの、アンモニアはまったく効果がないとのことですので、やらない方がよいそうです。
 もっとも、今回の場合は電車の中だったので、やろうと思っても出来ませんでしたが(笑)、仮にいくら緊急時とはいえ電車の中でこの「応急処置」を強行していたら、電車から下りて乗るクルマが「救急車」から「パトカー」に変わっていたでしょうね、きっと(^_^;)

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↑2週間後、赤みは消えましたが、刺された箇所はまだ痕が残っています

(追記その5)
 ドキュメント「山で●●とバトル」シリーズも、今回で3作目となりました。
 これまで「野猿」、「ヤマビル」、そして今回の「スズメバチ」と、山の野生生物との壮絶?な「バトル」を(不本意ながらも)繰り広げてきましたが、今後もこのシリーズを続けていくと、さらに過激な“セカンドシーズン”に突入し、新たな強敵として「マムシ」や「マダニ」、そして迎える“ファイナルシーズン”では「イノシシ」や「キョン」、最後には“山のラスボス”的存在である「ツキノワグマ」とも「バトル」するハメになりかねないことから(^_^;)、本作をもって「バトル3部作」は「完結」とし、「山で●●とバトル」シリーズはもう終わりにしたいなぁと個人的には思っています(笑)

(追記その6)
 ちなみに、「山で●●とバトル」シリーズのスピンオフとして、「山の麓で●●とバトル@悔恨の高尾北口酩酊篇」がありますが、あまりに自虐ネタ過ぎて洒落にならないため、本ブログへのアップは未だ「自粛中」です(^_^;)

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↑「スズメバチ」対策用グッズを増強しました

(追記その7)
 今回の一件により、普通の人よりアナフィラキシーショックのリスクが高くなってしまったと思われることから、スズメバチの活動が活発な期間(10月末頃まで)の山行携帯用として、スズメバチ用殺虫剤「スーパー スズメバチ ジェット ミニ」スプレー(¥1,260)と、すでに所有している「インセクト ポイズンリムーバー」よりも毒を吸い出す力が強そうな「エクストラクター ポイズンリムーバー」(¥3,150円!)を“勢い”で新たに購入してしまいましたが、何年か後には“喉元過ぎれば”すっかりその“痛さを忘れて”、またもや「宝の持ち腐れ」となってしまうかもしれません(笑)

(追記その8)
 “勢い”で購入してしまった「スーパー スズメバチ ジェット ミニ」スプレーですが、平地での使用ならともかく、実際に山行で使用するにあたっては、若干“難点”があるように思われます。
 それは山用品店で時折みかける「熊撃退用スプレー」にも言えることなのですが、撃退の対象となるスズメバチや熊は、山の中を歩いているとき突然遭遇するケースが多いと思われることから、多少なりともその危険性がある場合には、ザックの中に入れて携行するのではなく、常時手に持って携帯していないと咄嗟の場合にはほとんど役に立たないのではないか?ということです。
 スズメバチや熊が現れてから、“よっこらしょう”とザックを下して、中からスプレーをガサガサと取り出している間、眼前のスズメバチや熊がおとなしく待っていてくれるとは到底思えません。
 かといって、行動中ずっと手に持っているというのは非常に億劫であり、また常時片手をふさいで山を歩いていると、つまずき等で誤って転倒した際に受け身が不充分となり、手首や肘の骨折など大きな怪我を負うリスクが高くなることから、実際の山行ではザックの外部ポケットもしくはウエストバッグなどに入れて持ち歩くことになるため、突然のスズメバチの急襲に対してどれだけ実効性があるのか(薬剤が効くか否かということではなく、いざという時にとっさに使えるか)不確実な面があるのは否めませんが、それでも“気は心”で、とりあえず当面の間は山に携行したいと思っています。
 まぁ、スズメバチでも熊でも、できるだけ遭遇しないようにするのが一番の対処法なのですが、それを極めてしまうと「山には登るな!」ということにり、「本末転倒」となってしまうため、なかなかに難しい問題です(^_^;)
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