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イグルー泊雪山登山、やってみたい!――米山悟「冒険登山のすすめ: 最低限の装備で自然を楽しむ 」 

カテゴリ:本の紹介

読みました。

「冒険登山のすすめ: 最低限の装備で自然を楽しむ 」(米山悟著、ちくまプリマー新書)

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本書の前半は一般的な山登りの魅力の解説と案内ですが、後半、焚き火やイグルー作り、山スキーなど一歩進んだ冒険登山のガイドに。

登山道や道標が整備された山は公園と同じ。そこから一歩踏み出そう、と著者は言います。沢、岩、雪山の世界ですね。

特に雪山でのイグルー作りについてはかなりページを割いて詳しく解説しています。
イグルーの長所を著者はこう述べています。

「豪雪でつぶされるテントのように深夜の雪かきの必要がありません。中は雪洞のように暗くなく、ほどよい明るさです。ブロックの隙間に適度に穴があいているので、テントや雪洞のように酸欠の心配もなく、雪洞特有の湿気も溜まりません」

それでいて、雪洞と同じく気温が0度くらいと暖かいといいますから、いいことづくめですね。

コツはテントを持っていかないこと、と著者。うまく作れなければテントを使えばいいや、という退路を絶って、真剣勝負で作成に臨むこと、と。

なるほど。ぜひ実践してみたいものですが、でも、勇気がいるな〜。

ほかにも野糞のすすめ、無雪期は地下足袋で、など興味深い内容が。

著者はNHKのカメラマン。在籍した北大山岳部は、シゴキのない民主的な気風で、バイオニア精神にあふれた部だったそうです。

ナイフやノコギリ、スコップなど、お薦めのブランドも含めた購入ガイドも参考になりました。

(はせ)
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意外や硬派な冒険の記録――宮城公博「外道クライマー」 

カテゴリ:本の紹介

読みました。

「外道クライマー」(宮城公博著、集英社インターナショナル刊)

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「山の嫌われ者」「登山界の異端児」を自認する「沢ヤ」の宮城公博氏。この本を読むまで全く知りませんでした。

巻末の角幡唯介氏の「解説」によると、著者は自らのブログで〈セクシー登山部〉の舐め太郎を名乗る、怪し〜い人物なのだそうです。

だから、どんなお下劣な内容なのかとワクワク、じゃなかったドギマギしながら読み始めたのですが、意外や硬派な冒険の記録でした(ときどきお下品な表現が交じりますが)。

「タイのジャングル46日間沢登り」とか「台湾最強の渓谷チャーカンシーのゴルジュ遡行」「称名廊下ゴルジュ突破」「称名滝厳冬期初登攀」など。

いずれも命がいくつあっても足りなそうな冒険の数々。

宮城氏は数年前、那智の滝を直登して逮捕された3人のうちの1人だそうです(そういえばそんな報道がありましたね)。その事件で彼は7年勤めた福祉施設を辞めることになったのだそうです。

報道だけを読むと、なんて罰当たりで人騒がせな…と思うのですが、登った本人の視点で語られると、そこに未登の滝があってパイオニアワークを求める先鋭的な沢ヤがいれば、登って当然でしょ、となります。

「サバイバル登山」の 服部文祥や「空白の 五マイル…」の角幡唯介もそうですが、こういう私などには決してできないとんがった冒険の話、実に面白いです。

しかもこの人、表現力が豊か。自然の描写や冒険の中身の語りもさることながら、心の揺れや葛藤、パートナーとの軋轢を含めた内面のドラマも。なかなか読ませます。

(はせ)